January 7, 2013

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冬の白く澄んだ朝のような
雨に濡れて黒く輝くアスファルトのような
どこかの地図を思わせるコーヒーのシミのような
取り残された冬のカマキリのような
夏の終わりの剥げかけたペディキュアのような
鼻の奥に残る石油ストーブの臭いのような
そっと突き出した唇のような赤い絵の具を煮詰めたような
霧雨の中を自転車で走り抜けるような
偉人の名言であふれた日めくりカレンダーのような
今日でもなく明日でもなく、
名前も顔も持たない時間のような
なんだったっけ