February 12, 2013
text_049
薄く鋭利な刃の上に
指の腹をそっと乗せて
スッとその指を引く
心臓がギュッとなるような
イメージがときどき訪れるのは
なぜでしょう
そして
ギュッと拳を握りしめる
掌に爪をたてて
深く息をつく
息苦しいような
その冷たい熱を帯びた何かが
融けていくのを
一人じっと待つのです
February 10, 2013
text_048
どこかに行ける
そんな気がしてワクワクしている
景色は流れることを止めない
あたりが暗くなっていることに気がつく
トンネル? そうじゃない
さっき目を閉じたんだった
朝日を受けたビルの群れが
厚さ0.8ミリメートルのスクリーンに
次々と影を映し出す
時速百キロメートルのスライドショウ
もう少し目は閉じたまま
時間も流れることを止めない
February 2, 2013
text_047
ヘッドフォンをつけて
音楽もかけずに
歩いていると
自分の足音が
脈動のように聞こえる
ドッドッドッドッドッドッドッ
歩き続ければ
止まらなければ
当たり前だけど
その間は
生きているっていう
ことだろうね
ドッドッドッドッドッドッドッ
ドッドッドッドッドッドッドッ
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